早く走れる練習 1週間前ならこれやろう!

2025年10月16日

結論:
大会1週間前は、追い込むよりも走り方のムダを減らすほうが本番につながりやすいよ。

姿勢、腕振り、足のつき方を少し整えるだけでも、走る感覚は変わりやすい。
大事なのは、筋肉痛になるほどやることではなく、疲れを残さずキレを保つこと。
1週間を使って、フォーム、リズム、睡眠、当日の準備まで落ち着いて整えていこう。

1週間で速く走れる練習!
1日目:姿勢とフォームを軽く整える。地面を押す感覚を意識して締める。
2日目:バウンディングで脚のバネを呼び起こす。短いダッシュで反応を刺激。
3日目:スタート反応とキレを意識。動ける軽さを残して終える。
4日目:テンポ走で心肺とリズム調整。呼吸と動きを合わせる。
5日目:フロート走でスピードと余裕を両立。フォームの安定を確認。
6日目:軽く動いて疲労を抜く。短い刺激+十分な睡眠。
7日目:軽い刺激とイメトレのみ。早く寝て本番に備える。

大会・運動会・短距離勝負までちょうど1週間。
「もう時間ない…」って焦るかもだけど、逆にこの7日間で“仕上げ”ができるんだよね。
筋肉を壊さず、体の動きを整えつつ、スピード感を残す――これが肝。
この先の毎日に、「地面を押す感覚」「良いフォーム」「呼吸のテンポ」を刻み込むための方法を、中学生にもわかりやすく紹介するよ。

大会1週間前、まだ間に合うスピードアップ大作戦

本番1週間前と聞くと焦るかもだけど、ここからが“ピーキング期”って呼ばれる調整段階。
無理に量を増やすより、練習量を落としつつも質と動きをキープすること。
疲労を抜きながら、神経系・筋肉の“準備”を整える。
研究では、トレーニング量を41~61%減らすテーパリングが有効とされてるって話もあるんだ。
だから、焦って量を詰めるのは逆効果、賢いやり方を選ぼう。

大会1週間前の短距離調整をまとめたインフォグラフィック。無造作ヘアの中学生男子がTシャツとライン入り短パンでロードワークをしながら走っている。見出しは「大会1週間前、まだ間に合うスピードアップ大作戦」。ポイントは「焦って全力走はNG、今は整える時期」「速くなるより悪いクセを減らす意識でいこう」「疲労を残さず動きをキレよくするコツ」の3つ。

焦って全力走はNG 今は整える時期

今の時期にガンガン全力走ばかりすると筋肉疲労が抜けず、本番で動けないこともある。
だからこの1週間は“全力で走る量”を減らして、“動きの質”を上げることが大事だよ。
疲労を残さず、カラダをキレキレに保つことが優先させよう。

速くなるより悪いクセを減らす意識でいこう

速くなるための秘密の魔法はないけど、クセを減らすのは良い方法。
接地が乱れてるとか、腕振りが大きくぶれるとか、そういう“ムダな動き”を消し去るのがこの時期にやるべきことなんだ。
クセを直すだけでフォームが安定して、自然とスピードが伸びることもあるよ。

疲労を残さず動きをキレよくするコツ

ウォームアップを丁寧に、動的ストレッチ・ドリルで体を温めておくこと。
クールダウン・軽いジョグで硬くならないようにほぐすこと。
“強い刺激”は控えめに、でも“いつもの感覚”は残すようにする。
このさじ加減が難しいけど、ここをミスるとガタッと落ちるから注意だ。

大会1週間前でも、まずは遅くなる原因を知っておこう

1週間で足を速くしたいと思うと、すぐにダッシュや筋トレを増やしたくなる。
でも、この時期に大事なのは、今から筋肉を大きく増やすことではなく、遅くなるクセを見つけて減らすこと。
走るのが遅くなる原因は、足の力がないことだけじゃない。
姿勢が崩れていたり、腕が使えていなかったり、足を前に出しすぎてブレーキをかけていたりすることも多い。
そこを知っておくと、1週間の練習がただの根性練習にならず、ちゃんと意味のある調整になるよ。

しっかり寝ている中学生男子

姿勢が崩れると地面の力を前に使いにくくなる

速く走るには、足で地面を蹴るだけでは足りない。
地面を押したときに返ってくる力を、体の前へ進む力に変える必要がある。
そのときに姿勢がぐにゃっと崩れていると、せっかくの力が上や横に逃げやすい。
背中を反りすぎたり、腰が落ちたり、顔だけ前に出たりすると、体の軸が乱れてしまう。
だから1週間前の練習では、まず頭、肩、腰が大きくずれないようにして、まっすぐ進む感覚を確認したい。
無理に胸を張るというより、頭の上から軽く引っ張られているくらいの姿勢でいい。
姿勢が整うと、足の力も地面に伝わりやすくなる。

腕振りが小さいと足の回転も上がりにくい

短距離走なのに、足のことばかり考えてしまう人は多い。
でも腕は、足の回転を助けるかなり大事なパーツ。
腕振りが小さいと、足も小さく動きやすい。
逆に、肩に力を入れすぎて腕を振ると、上半身が固くなって走りにくくなる。
ポイントは、肘を軽く曲げて、前後にスッと振ること。
手を強く握りしめる必要はない。
手のひらにポテトチップスを持っていて、それを割らないくらいの力でいい。
腕を横に振ると体も左右にぶれやすいから、できるだけ進行方向に合わせて振る。
足だけで速く走ろうとしないで、腕でリズムを作る意識を持つと走りが軽くなるよ。

足を前に出しすぎるとブレーキになることがある

「歩幅を広げれば速くなる」と思って、大股で走ろうとする人もいる。
でも足が体より前に出すぎると、地面に着いた瞬間にブレーキがかかりやすい。
せっかく前へ進みたいのに、足で自分の体を止めてしまう感じになる。
1週間前に直すなら、歩幅を無理に広げるより、足を体の真下あたりに置く意識のほうが使いやすい。
ドスンと着くより、ポンと地面に触れて、すぐ次の足を出す感じ。
足を遠くに投げ出すのではなく、体の下で地面を押す。
これだけでも、走りのムダは減らしやすい。
とくに50m走や体育祭の短距離では、最初から最後まで大股で押し切ろうとすると、後半に失速しやすくなる。

つま先が下がると足が流れて走りにくくなる

走っているときに、つま先がだらんと下がっていると、足を前に運びにくくなる。
地面に着くときも、力がうまく伝わらず、ブレーキっぽい動きになりやすい。
だから、走る前のもも上げや軽い縄跳びでは、つま先を少し上げる感覚を確認しておくといい。
足首をガチガチに固める必要はない。
「足の親指とすねが、軽く近づいている」くらいの意識で十分。
つま先が下がりすぎないだけで、足の戻りが少しスムーズになる。
足が後ろに流れてしまう人や、走っている途中でバタバタした感じになる人は、ここを見直すと変わりやすい。

1日目 フォームをちょっとだけ変える

1日目は「フォーム確認の日」。
いきなり全力走を重ねるのではなく、姿勢、腕振り、足のつき方を軽くチェックして、走りの土台を作る。
1週間しかないときほど、基本を飛ばすと遠回りになる。
この日は、疲れるまで走る必要はない。
むしろ「なんか走りやすいかも」と思えるくらいで終えるのがちょうどいい。
フォームが少し整うだけで、次の日からの練習の入り方も変わってくるよ。

イメージトレーニング

背すじを伸ばして軽く前に進む姿勢を作る

走る前に、まずまっすぐ立ってみよう。
背中を丸めすぎず、胸を張りすぎず、頭がスッと上に乗っている感じ。
そこから、体全体をほんの少しだけ前に倒す。
腰から折れるのではなく、足首から体が前に傾くようなイメージだよ。
この姿勢を作ると、足だけで前に進もうとしなくても、体が自然に前へ出やすくなる。
前のめりになりすぎると転びそうになるし、上体が起きすぎると地面を押しにくくなる。
だから、軽く前へ進みたくなるくらいの姿勢を探すのがポイント。
最初はゆっくりのジョグでいいから、姿勢が崩れないまま進めるか確認してみよう。

腕は大きくよりも前後にまっすぐ振る

腕振りは、大きければ大きいほどいいわけではない。
大きく振ろうとして肩に力が入ると、体が固まって足も動きにくくなる。
大事なのは、肘を軽く曲げて、前後にまっすぐ振ること。
横に振ると、体も左右にねじれてしまう。
すると、前へ進む力が横に逃げる。
走る前に、その場で腕振りを10回くらいやってみるといい。
肩が上がっていないか、手に力が入りすぎていないか、腕が体の横で自然に動いているかを確認する。
腕のリズムが整うと、足のリズムも作りやすくなる。
「腕を振る」というより、「肘を後ろに引く」くらいの意識でもいいよ。

足は体の真下あたりに置く意識で走る

足を遠くへ出すと、なんとなく速くなりそうに見える。
でも、体より前に足を出しすぎると、着地のたびにブレーキがかかりやすい。
1日目は、足を体の真下あたりに置く意識で軽く走ってみよう。
地面を長く踏みしめるのではなく、ポンと触れてすぐ離れる感じ。
足音がドタドタ大きい人は、地面に力をぶつけすぎているかもしれない。
静かに走れればいいわけではないけど、足音が少し軽くなると、走りも軽くなりやすい。
短い距離でいいから、何本か走って「ブレーキをかけない足の置き方」を探してみよう。

フォーム確認は動画で見るとクセに気づきやすい

自分ではまっすぐ走っているつもりでも、動画で見るとけっこうクセが出ている。
腕が横に振れていたり、顔が上がりすぎていたり、足が前に出すぎていたりする。
友達や家族に横から撮ってもらうだけでも、かなりわかる。
見るポイントは、姿勢、腕振り、足のつき方の3つで十分。
細かく見すぎると混乱するから、1日目は「大きく崩れているところ」だけを探そう。
見つかったクセを全部直そうとしなくていい。
まずはひとつだけ、次に走るときに意識する。
それくらいのほうが、本番にも持っていきやすいよ。

2日目 バウンディングと短いダッシュでバネを呼び起こす

2日目は、脚のバネと反応を少しだけ刺激する日。
長い距離を何本も走るのではなく、短い動きで「地面を押す感覚」を思い出す。
この日は、疲れるまでやらないことがとても大事。
足が重くなるほどやると、次の日以降の練習に響いてしまう。
あくまで目的は、筋肉を追い込むことではなく、体に「速く動く感じ」を入れること。
少し物足りないくらいで終えるほうが、本番前の1週間には合っているよ。

軽くジョギングの中学生男子

バウンディングは大きく跳ぶよりリズムを大切にする

バウンディングは、走る動きに近いジャンプの練習。
片足ずつ地面を押しながら、前へ弾むように進む。
でも、無理に大きく跳ぼうとすると、着地の衝撃が強くなりすぎる。
大会1週間前なら、大きさよりもリズムを大切にしたい。
ポン、ポン、ポンと軽く弾むように進み、足が地面に長く残らないようにする。
地面を強く叩くのではなく、押したらすぐ返ってくる力をもらう感じ。
最初は10歩くらいで十分。
距離を伸ばすより、姿勢が崩れず、リズムが乱れない範囲でやってみよう。

短いダッシュは全力の本数を増やしすぎない

2日目に入れるダッシュは、短めでいい。
10mから20mくらいを、数本だけ走る。
ここで大事なのは、何本も全力で走って疲れることではなく、1本1本の動きの質を見ること。
スタートで前に出られているか。
腕が止まっていないか。
足が体の前に出すぎていないか。
そこを確認しながら走る。
本数を増やしたくなるかもしれないけど、息が上がりすぎたり、足が重くなったりしたら終わりでいい。
「まだ走れそう」くらいでやめるのが、この時期の正解に近い。

もも上げは高く上げるよりすばやく下ろす

もも上げというと、膝を高く上げることばかり意識しがち。
でも走るときは、上げた足をすばやく下ろして、次の足を前に出す流れが大事。
高く上げすぎて体が反ったり、リズムが遅くなったりすると、走りにはつながりにくい。
その場でもも上げをするときは、腕も一緒に振って、足だけの運動にしない。
つま先がだらんと下がらないように、足首を軽く起こす。
そして、地面に足を置いたらすぐ次の足へ切り替える。
「上げる練習」というより、「すばやく入れ替える練習」だと思うとわかりやすいよ。

練習後は足が軽いところで終わる

2日目の練習は、終わったあとに足が軽いと感じるくらいがいい。
ヘトヘトになるまでやると、速くなるどころか疲れをためるだけになってしまう。
バウンディングも短いダッシュも、体に刺激を入れるためのもの。
筋肉痛を作るための練習ではない。
終わったら軽く歩いて、ふくらはぎや太ももをゆるめる。
水分をとって、夜はなるべく早めに寝る。
この「回復までセット」が、1週間前の練習ではかなり大事。
走ったら終わりではなく、次の日に動ける体で終わることを意識しよう。

3日目 スタート反応とキレを意識する

3日目は、スタートと反応を確認する日。
50m走や体育祭の短距離では、最初の数歩で流れがかなり変わる。
スタートで出遅れると、途中から追いつこうとして力みやすい。
逆に、最初の一歩がスムーズに出ると、走り全体に余裕が出る。
ただし、この日も全力で何本も走り込む必要はない。
短い距離で、スタートの姿勢、反応、最初の3歩くらいを確認する。
体を起こしすぎず、前へ押し出す感覚をつかめれば十分だよ。

軽く体を動かす中学生男子

スタート前は前足に少し体重を乗せる

スタートのとき、体重が後ろに残っていると、一歩目が遅れやすい。
「よーい」の姿勢では、前の足に少し体重を乗せておくと、前へ出やすくなる。
ただし、前に倒れすぎるとバランスを崩す。
前へ行きたいけど、まだ止まっていられるくらいの位置を探そう。
肩や手に力を入れすぎる必要はない。
目線は下げすぎず、数メートル先を見るくらい。
合図を聞いたら、上に跳び上がるのではなく、前へ押し出す。
最初の一歩は、速く足を出すよりも、体ごと前に進むことを意識するといい。

最初の3歩は上に跳ねず前に進む

スタート直後に、体が上に跳ねてしまう人がいる。
気持ちは前に行きたいのに、力が上に逃げるとスピードに乗りにくい。
最初の3歩は、上へ伸びるより、前へ前へと進む意識を持とう。
足を大きく出しすぎるより、すばやく地面を押して、次の一歩につなげる。
腕も最初から小さくならないように振る。
ただし、力いっぱい振り回すのではなく、前後に鋭く動かす感じ。
この3歩がスムーズだと、そのあとの加速も楽になる。
短い距離で何回か試して、自分が出やすい姿勢を見つけよう。

合図への反応は耳だけでなく体で準備する

スタートの反応は、合図を聞いてから考えると遅くなる。
もちろんフライングはだめだけど、体はすでに前へ動ける準備をしておきたい。
「パン」と鳴ったら出る、ではなく、音が鳴った瞬間に体が前へ出るような感覚。
そのためには、スタート前に呼吸を整えて、肩の力を抜いておく。
緊張して体が固いと、反応も遅れやすい。
友達に手を叩いてもらったり、「はい」と声を出してもらったりして、短いスタート練習をするのもいい。
何本もやらなくていいから、集中して数本だけ。
反応の練習は、雑にたくさんやるより、丁寧に少なくやるほうが効きやすいよ。

キレを出す日は走り込みすぎない

3日目は、体にキレを入れる日でもある。
でもキレを出したいからといって、長い距離を何本も走るのはおすすめしない。
疲れてくるとフォームが崩れ、その崩れた動きを体が覚えてしまうこともある。
短いダッシュを数本、スタート確認を数本。
それで十分。
走り終わって、足が少し軽くなった感じがあれば成功。
逆に、足が重い、ふくらはぎが張る、腰がだるいと感じたらやりすぎかもしれない。
本番が近い時期は、がんばった量より、いい感覚を残せたかのほうが大事なんだ。

4日目 テンポ走で心肺とリズムを整える

4日目は、心肺とリズムを整える日。
短距離でも、呼吸が乱れすぎたり、走りのリズムがバラバラだったりすると、後半に失速しやすい。
ここでやりたいのは、きつい持久走ではなく、気持ちよく走れるテンポ走。
全力ではなく、少し余裕を残したスピードで走る。
呼吸と腕振りと足のリズムをそろえるように走ると、体全体の動きがまとまりやすい。
この日は、スピードを上げすぎないことがポイント。
「速く走るために、あえて少し抑える」日だと思っておこう。

姿勢をチェックしている中学生男子

テンポ走は全力ではなく気持ちよく走る

テンポ走は、全力ダッシュとは違う。
息が切れて動けなくなるほど走るものではなく、少し余裕を持って、リズムよく走る練習。
たとえば60mから100mくらいを、全力の7割くらいで走るイメージ。
走り終わったあとに、もう1本いけそうと思えるくらいがちょうどいい。
この練習で見たいのは、フォームが崩れないか、呼吸が乱れすぎないか、腕と足のリズムが合っているか。
速さを競う日ではない。
気持ちよく走れて、体が温まり、走りのリズムが整えばそれでいい。
本番前に自信を削らないためにも、無理なタイム測定はしなくていいよ。

呼吸と腕振りを合わせると走りが安定する

走っている途中でバタバタしてくる人は、呼吸と動きがバラバラになっていることがある。
息を止めて走ったり、肩に力が入りすぎたりすると、後半に体が固くなる。
テンポ走では、呼吸を止めずに、腕振りと足の動きが自然につながるかを確認しよう。
息を大きく吸うことばかり考えるより、力を抜いて吐くほうが体は動きやすい。
腕が前後にリズムよく動くと、足も同じリズムに乗りやすい。
体全体がひとつの流れで動いている感じが出てくると、走りに余裕が生まれる。
大会前は、この余裕がけっこう大事。
焦って力むより、リズムを持って走れるほうが本番に強いよ。

ピッチとストライドはどちらかだけを欲張らない

足が速い人は、足の回転だけが速いわけでも、歩幅だけが大きいわけでもない。
ピッチ、つまり足の回転と、ストライド、つまり一歩の長さのバランスがいい。
ただし1週間前に歩幅を無理に広げようとすると、体が上下に跳ねたり、足が前に出すぎたりしやすい。
大股にしようとした結果、地面に着いた瞬間にブレーキがかかることもある。
この時期は「大股で走る」より、「リズムよく、止まらず進む」くらいがちょうどいい。
足の回転を急ぎすぎても、体が縮こまって進まなくなる。
だから、ピッチとストライドのどちらかだけを欲張らない。
自分がいちばんスムーズに進めるリズムを探すことが大事だよ。

走り終わったあとに余裕が残る強さで止める

4日目にやりすぎると、後半の調整が苦しくなる。
テンポ走は、足を追い込む練習ではない。
走り終わったあとに、少し息が上がっているけど、まだ動けるくらいで終える。
タイムを気にしすぎると、つい全力に近くなってしまう。
本番のために必要なのは、ここで自己ベストを出すことではなく、走りのリズムを整えること。
終わったら軽く歩いて、ふくらはぎや太ももをゆるめる。
体が温まったまま、すぐ座り込まない。
この日の終わりに「今日は走りやすかった」と思えたら、それでかなりいい調整になっているよ。

5日目 フロート走でスピードと余裕を両立する

5日目は、スピードを出しながらも力みすぎない感覚を作る日。
ここで使いやすいのがフロート走。
フロート走は、最初に少し加速して、そのあと力を抜きながらスピードを保つように走る練習。
全力で押し切るのではなく、スピードに乗ったあと、体を固めずに流れるように走る。
短距離では、力いっぱい走っているつもりなのに、力みすぎて逆に遅くなることがある。
だから5日目は、「速いけどラクに進む感じ」を探したい。
本番に近い刺激を少し入れつつ、疲れを残さないように終えるのがポイントだよ。

散歩中の中学生男子

フロート走は力を抜いて速さを保つ練習

フロート走は、ずっと全力で走る練習ではない。
たとえば最初の20mで少し加速して、そのあとの20mから30mを力まず走る。
スピードに乗ったら、肩や手の力を抜いて、腕と足のリズムを保つ。
ここで大事なのは、「がんばっている感じ」を減らすこと。
速く走ろうとして顔や肩に力が入ると、体の動きが小さくなりやすい。
力を抜いてもスピードが落ちない感覚があると、本番でも後半に粘りやすくなる。
短い距離でいいから、走り終わったあとに「今のは軽かった」と思える1本を探してみよう。

肩の力を抜くと後半の失速を減らしやすい

短距離の後半で急に体が重くなる人は、前半から力みすぎていることがある。
肩が上がり、手を強く握り、顔まで固くなる。
すると、腕がスムーズに振れなくなって、足の動きも小さくなる。
5日目は、走りながら肩の力を抜く感覚を確認しよう。
手は軽く握るくらいでいい。
歯を食いしばりすぎず、目線は前へ。
速く走るのに、全部の力を使い切る必要はない。
むしろ、必要なところだけ使って、いらない力を抜けると走りは安定する。
本番で後半に失速しやすい人ほど、この「抜く練習」は効きやすいよ。

フォームが崩れたらそこで終わる

フロート走は、フォームが崩れない範囲でやるのが大事。
疲れてくると、足が前に出すぎたり、腕が横に流れたり、腰が落ちたりする。
その状態で何本も走ると、悪い動きを覚えてしまうことがある。
だから、走っていて「さっきより重い」「フォームがバラバラになってきた」と感じたら、そこで終わっていい。
大会1週間前は、根性で本数を増やす時期ではない。
いい動きのまま終わるほうが、本番には残りやすい。
練習メニューを全部こなすことより、いい感覚を残すことを優先しよう。
今日は少し足りないかな、くらいで終えるのがちょうどいい。

走ったあとは軽くほぐして睡眠につなげる

5日目は、本番に近いスピード刺激が入る日。
だから、走ったあとのケアも忘れないようにしたい。
終わったら急に座り込まず、少し歩いて呼吸を整える。
ふくらはぎ、太もも、股関節まわりを軽くほぐす。
強く伸ばしすぎる必要はない。
「今日使ったところをゆるめる」くらいで十分。
水分をとって、夜はスマホを見すぎず、早めに寝る。
速く走るための準備は、グラウンドの上だけで終わるわけじゃない。
睡眠まで含めて、5日目の練習だと思っておこう。

6日目 軽く動いて疲労を抜く

6日目は、疲労を抜きながら体を動かす日。
本番が近づくと、まだ練習したほうがいい気がして不安になるかもしれない。
でもここで追い込むと、せっかく整ってきた体が重くなる。
6日目にやることは、走力を上げることではなく、体を軽くしておくこと。
軽いジョグ、動的ストレッチ、短い流しを少しだけ。
それくらいで十分。
「何もしないと不安」なら、軽く動いて安心する。
でも「やりすぎて疲れる」は絶対に避けたい日だよ。

当日すること中学生男子

軽いジョグで体を温めるくらいにする

6日目のジョグは、息が上がるほど走らなくていい。
体が少し温まり、関節が動きやすくなるくらいで十分。
長く走りすぎると、足に疲れが残ることがある。
走りながら、姿勢が重くなっていないか、足が引っかかる感じがないかを確認しよう。
もし足が重いなら、無理に走る時間を増やさない。
軽く歩く、ストレッチをする、早めに切り上げる。
それでいい。
本番前日は、練習をがんばる日ではなく、体を整える日。
動いたあとに「少し軽くなった」と思えるくらいがちょうどいい。

短い流しでスピード感だけ残す

6日目にまったく速い動きをしないと、体が少し眠った感じになることもある。
だから、短い流しを少しだけ入れるのはあり。
流しは全力ダッシュではなく、気持ちよくスピードに乗るくらいの走り。
20mから30mくらいを、7割程度で数本。
腕振り、姿勢、足の置き方を確認しながら走る。
走ったあとに息が切れすぎるなら強すぎる。
足が重くなるなら本数が多すぎる。
「スピード感を忘れないための軽い刺激」と考えよう。
本番のために、体を起こしておくくらいで十分だよ。

ストレッチは伸ばしすぎず気持ちいい範囲でやる

前日が近いからといって、強くストレッチをしすぎるのも注意。
痛いほど伸ばすと、筋肉に負担がかかることがある。
6日目は、気持ちいい範囲でゆっくりほぐすくらいがいい。
太ももの前、太ももの裏、ふくらはぎ、股関節まわりを軽く動かす。
止まって長く伸ばすだけでなく、足を振ったり、股関節を回したりする動きも入れると、体が目覚めやすい。
大事なのは、体を柔らかくしようとがんばりすぎないこと。
本番で動きやすい状態にするための準備だから、終わったあとに体がだるくならない範囲でやろう。

不安になって追加練習をしない

本番が近づくと、「もう少し走ったほうがいいかな」と思いやすい。
でも6日目の追加練習は、だいたい不安から来ていることが多い。
不安を消すために走りすぎると、足に疲れが残ってしまう。
ここまでやってきたなら、あとは体を軽くするほうが大事。
どうしても不安なら、フォームの確認を頭の中でしてみよう。
スタートで前に出る。
腕を前後に振る。
足を体の真下あたりに置く。
それをイメージするだけでも、気持ちは落ち着きやすい。
本番前の練習は、増やすより整える。
ここを忘れないようにしよう。

7日目 当日朝は軽い刺激とイメトレだけでいい

7日目、つまり本番当日は、もう鍛える日ではない。
やることは、体を起こすことと、頭の中で走りの流れを確認すること。
朝から全力で走ったり、急に新しいことを試したりする必要はない。
軽く体を動かして、いつものフォームを思い出す。
スタート、腕振り、足のつき方を確認する。
そして、いいイメージで本番に入る。
本番の日は、練習で速くなる日ではなく、今ある力を出しやすくする日。
そう考えると、少し気持ちも落ち着くよ。

やっちゃいけないこと

朝は体を起こす程度に動く

当日の朝は、いきなり強い運動をしなくていい。
軽く歩く、体を回す、足首や股関節を動かす。
それだけでも体は少しずつ目覚める。
時間があれば、軽いジョグやスキップを少し入れてもいい。
でも、汗だくになるほどやる必要はない。
朝から疲れると、本番のころに足が重くなることがある。
大事なのは、体が「動けるぞ」と思えるくらいにしておくこと。
眠い体を少し起こして、呼吸を整えて、落ち着いて準備しよう。

スタートからゴールまでを頭の中で走っておく

本番前は、頭の中で一度走っておくといい。
スタートの姿勢を作る。
合図で前に出る。
最初の3歩を前へ進める。
腕を前後に振る。
足を体の真下あたりに置く。
最後まで力みすぎずに走り切る。
この流れを、頭の中で短く確認しておく。
難しいことをたくさん考える必要はない。
本番中に意識することは、1つか2つで十分。
「腕を振る」「前へ進む」くらいのシンプルな言葉のほうが、緊張していても思い出しやすいよ。

ウォームアップでは汗をかきすぎない

本番前のウォームアップは大事だけど、やりすぎると疲れる。
体を温めることと、疲れさせることは別。
軽いジョグ、動的ストレッチ、短い流しを少し。
それくらいで十分なことが多い。
寒い日は、体が冷えないように上着を着て待つ。
暑い日は、水分をとって、日なたで待ちすぎないようにする。
ウォームアップで自己ベストを出そうとしなくていい。
本番でいちばん動けるように、体をちょうどいい温度にしておく。
これが当日の準備のコツだよ。

本番直前は新しい走り方を試さない

本番直前になると、友達の走り方や先生のアドバイスが気になってくることがある。
でも、直前に新しいフォームを試すと、体が混乱しやすい。
ここまで確認してきたことを、シンプルに使うほうがいい。
姿勢を整える。
腕を前後に振る。
足を前に出しすぎない。
つま先をだらんと下げない。
これくらいで十分。
本番は、細かい正解探しをする時間ではない。
自分が走りやすい感覚を信じて、スタートに入ろう。

大会1週間前にやらないほうがいいNG行動

大会1週間前は、何をやるかと同じくらい、何をやらないかも大事。
ここで無理をすると、本番で足が重くなったり、フォームが崩れたりする。
「最後だからがんばる」は悪いことではないけど、がんばる方向をまちがえると、せっかくの準備が台なしになることもある。
この時期は、練習量を増やすより、体のキレを残すこと。
新しいことを急に始めるより、今できることを安定させること。
本番で走りやすい体を作るために、避けたい行動を確認しておこう。

当日朝の陸上コース

長距離走を急に増やさない

短距離を速くしたいからといって、大会1週間前に長距離走を急に増やすのはあまりおすすめしない。
体力をつけたい気持ちはわかるけど、1週間で大きく心肺能力が上がるわけではない。
それよりも、足に疲れが残ったり、走りのキレが落ちたりするほうが心配。
とくに、ふだん長く走っていない人が急に長距離を入れると、ふくらはぎや太ももが重くなりやすい。
短距離の本番前なら、長く走って追い込むより、短く軽く動いてスピード感を残すほうが合っている。
不安で走り込みたくなったら、「今は鍛える時期ではなく、整える時期」と思い出そう。

筋肉痛になるほど筋トレをしない

足を速くしたいと思うと、スクワットや腹筋をたくさんやりたくなるかもしれない。
でも大会1週間前に筋肉痛になるほど筋トレをすると、本番で体が重くなることがある。
筋トレはだいじだけど、効果が出るには時間がかかる。
直前に追い込んでも、すぐに足が速くなるというより、疲労だけが残ることも多い。
やるなら、フォーム確認のための軽い体幹や、股関節を動かす程度で十分。
「がんばった感」がほしくて回数を増やすのは避けよう。
本番前は、筋肉をいじめるより、筋肉が気持ちよく動ける状態にしておくほうがいい。

急に新しいシューズや走り方を試さない

本番前になると、新しいシューズを履いたら速くなるかも、友達のフォームをまねしたらいいかも、と思うことがある。
でも直前に新しいものを入れると、体が慣れていなくて走りにくくなることがある。
新しいシューズは、足に合わなかったり、靴ずれしたりするかもしれない。
新しい走り方も、頭ではよさそうに見えても、体がすぐに使えるとは限らない。
1週間前から本番までは、大きく変えるより、今の走りを少し整えるくらいが安全。
どうしても試すなら、軽く確認する程度にして、本番直前にいきなり変えない。
大会では、慣れている感覚を大事にしよう。

睡眠を削って練習時間を増やさない

練習時間を増やしたくて、夜ふかししたり、朝早く起きすぎたりするのはもったいない。
速く走るためには、体を動かすことだけでなく、回復することも必要。
睡眠が足りないと、反応が遅くなったり、集中しにくくなったり、体が重く感じたりする。
本番が近いほど、寝ることも練習の一部だと思っていい。
スマホを見ていると、気づいたら時間が過ぎていることもある。
大会前日はもちろん、1週間前から少しずつ寝る時間を整えておくと、本番の日に体が起きやすい。
「あと少し練習する」より、「今日はちゃんと寝る」を選んだほうがいい日もあるよ。

まとめストーリーボード

まとめ

大会1週間前から足を速くしたいなら、いちばん大事なのは、無理に追い込まないこと。
ここから筋肉を大きく増やすのはむずかしいけど、走り方のムダを減らすことはできる。
姿勢を整える。
腕を前後に振る。
足を前に出しすぎない。
つま先をだらんと下げない。
地面をドタドタ踏むのではなく、ポンと押して前へ進む。
こういう小さな確認を積み重ねるだけでも、走りの感覚は変わりやすい。

1日目はフォームを確認する。
2日目はバウンディングと短いダッシュでバネを呼び起こす。
3日目はスタート反応とキレを意識する。
4日目はテンポ走で心肺とリズムを整える。
5日目はフロート走でスピードと余裕を両立する。
6日目は軽く動いて疲労を抜く。
7日目は軽い刺激とイメトレだけで本番に入る。
この流れなら、走り込みすぎずに、体を軽くしたまま本番を迎えやすい。

足が速くなるというと、根性や才能の話に見えるかもしれない。
でも大会前にできることは、案外シンプル。
遅くなるクセを減らして、走りやすい体の状態を作ること。
前日や当日にあわてて新しいことをするより、1週間を使って少しずつ整えたほうがいい。
本番では、細かいことを全部考えなくて大丈夫。
「腕を振る」「前へ進む」「力まない」くらいの言葉を持って、スタートに立とう。
やりすぎず、でも何もしないわけでもない。
そのくらいの調整が、1週間前にはいちばん現実的だよ。