生徒会に立候補したいのに、肝心の“公約”がまるで浮かばない……そんな悩みを抱えている君へ。
学校生活を少しでも変えたい、みんなの声を代表したいという思いはあるのに、何を約束すればいいか分からない。
この記事では、公約が思いつかない理由から、アイデアの出し方、具体例、公約の見せ方、批判への対応、そして当選後に約束を守るコツまで、丁寧に解説するよ。
ふんわり読めて実践できる内容満載だから、安心してね。
「公約が浮かばない…焦りがちなあなたへ」
まず最初に、「なぜ公約が思いつかないのか」という原因を整理することが大事だよね。
焦ってもいいアイデアは出づらい。
逆に、今の状態をチャンスととらえて工夫できる発想法を知っておくと、公約ネタのストックがぐっと増えるんだ。
そこで、原因の探り方、見方の変え方、具体的発想法をこのセクションで伝えるよ。
公約作りの土台固めになる部分だから、一緒にじっくり進もう。
原因を探る:なぜ“思いつかない”のか
公約が浮かばない原因は、人それぞれ違う。
たとえば「学校のことをあまり観察していない」「無理にすごいことを掲げようとしている」「自分の立場を意識しすぎて自由に考えられない」など。
まずは、普段の“悩み”や“困っていること”をメモしてみて。
学校生活で「ここが変わったらいいな」と感じたことを拾っていくと、公約の種が見えてくるよ。
思いつかない状態はむしろチャンス
アイデアが全く出ないということは、逆に“白紙”という自由地帯でもあるんだ。
既存の枠にとらわれない発想を許すタイミング。
「ありきたりなアイデアでは勝てない」と思ってしまうと、手が止まる。
逆に、“少し変なアイデア”も許してあげていい。
その中から、実現できそうなものを選んで磨いていけばいいんだ。
ブレスト(発想法)でアイデアを刈り取る
ブレスト=ブレインストーミングを活用すると、公約アイデアがたくさん出る。
たとえば、クラスメイトとペアで「困っていることリスト」を出し合って、それを公約ネタに変換する。
「もし休み時間が時間無制限だったら?」という仮定で発想することも有効。
形にとらわれずアイデアを出したら、それを後から絞って“実現可能なもの”に調整すればいいんだよ。
インプット型発想 – 他校・ネット・漫画から盗む技術
他の学校の生徒会公約を見たり、ネットの記事を読んだり、漫画の中の学校描写を観察したりするのもアイデア源になる。
「この学校はこんな公約を出してたな」「こういう学校活動いいな」と思ったことを、自分なりに咀嚼して取り込む。
ただし、丸パクリはダメ。
自分の学校に合うようにアレンジすること。
こうしたインプットを重ねて、脳の引き出しを増やしておくと、公約案が自然と出やすくなるよ。
※合わせて読みたい「生徒会の役割 各役員は何をするの?」
「定番すぎずウケる!公約ネタのジャンル4選」
「ウケる」って言葉、ちょっとカジュアルだけど大事。
生徒の心を掴むには、“ありきたり”ではない公約ジャンルが効くんだ。
でもまったく奇をてらうだけじゃ現実性で失う。
だから、定番ジャンルをベースに「ちょっと意外性」を足したネタ4つを紹介するね。
これらをヒントに、自分らしい公約テーマを練ってみよう。
学校環境改善系(トイレ・掃除・換気など)
学校生活で毎日使う場所、トイレ・廊下・教室の掃除や換気に目を向ける公約は、実感度が高い。
例えば「トイレの衛生強化」「教室の空気入れ替えタイム設置」など。
これは“具体”で“身近”。
生徒会活動として信頼を得やすいジャンルでもあるんだ。
行事・イベント系(文化祭・企画・コラボ系)
文化祭・体育祭・季節イベントに新企画を足す公約も人気。
たとえば「学年混合企画」「クラス対抗ゲーム大会」「校外コラボイベント」など。
企画性があるから“学校生活を楽しくする約束”として響きやすい。
ただし、準備と時間との兼ね合いを考えることが重要だよ。
生徒参加型・民主系(意見箱・アンケート・座談会)
生徒みんなの声を聞きます、という公約も強い。
「意見箱設置」「月1アンケート」「学年別座談会」など。
これは“約束”というより“仕組みを作る”アプローチ。
実現すれば、生徒と役員・先生の交流促進にもなるから相乗効果あり。
コミュニケーション系(あいさつ運動・縦割り交流など)
あいさつ運動強化、異学年交流プロジェクト、部活間交流会など。
人とのつながりを育てる公約だから、学校の雰囲気を変える力を持つ。
“生徒”同士の距離を縮める要素が入る公約は印象に残りやすいんだよ。
「実行可能性を担保する“ギリギリ予算でできる公約”」
思いつく公約があっても、実際にやれなかったら意味がない。
予算や時間、先生の協力などを見越して「本当にできること」を設計しなきゃ。
この章では、予算を抑えながらも実行可能なアイデア、制度活用、協力型、段階構成などを使って、公約を現実に近づける方法を伝えるからね。
教材・備品を活用するアイデア
学校にすでにある教材・備品を使い回すならコストは最小限。
「余っている図書をリサイクル棚に」「使っていない備品を共同使用」など。
新規購入を伴わない約束なら、先生や役員も承認しやすい。
学校の仕事を“見直し・再活用”という視点で見ると、公約ネタが増えるかもね。
既存制度の調整で実現できること
学校にすでにある制度を少し変えることも強い公約になる。
たとえば「予鈴の変更」「掃除時間の調整」「移動時間に音楽を流す」など。
完全ゼロから作るより、既存制度を“転用”する方が現実的だ。
先生との相談もしやすくなるよね。
ボランティアや協力型でコストを抑える
有志を募って手伝ってもらう、地域や保護者の協力を仰ぐ、ボランティア形式で進めるという手も使える。
たとえばイベント準備を生徒で分担、飾り付けを親御さんにお願い、など。
お金をかけずに“人のつながり”で支えられる公約、魅力的でしょ?
小さく始めて拡大するステップ型構成
いきなり大きな約束をしないで、“小フェーズ”から始めて徐々に拡大する方法も有効。
「まずはクラス単位で試す」「半期だけ実験実施」など。
うまくいけば他学年にも展開。
この方法なら先生からも了承を取りやすくなるし、失敗リスクも小さい。
「インパクトを仕込む公約構成の“演出”テクニック」
いいアイデアを出しても、相手に響かなきゃ意味がないよね。
だから“演出”がカギを握る。
言葉の使い方、見せ方、差別化の工夫を取り入れて、あなたの公約を目立たせよう。
キャッチコピー、数字・期間、スケジュール、差別化要素――これらを駆使すれば、「この人になら任せたい」と思ってもらいやすくなるんだ。
キャッチコピーで注目を引く方法
キャッチコピーは「何を掲げているか」が一瞬で伝わるフレーズ。
たとえば「空気を変える1分換気タイム」みたいな短く耳に残る言葉。
これが演説ポスターの目玉になる。
最初で心を引く役目を持たせよう。
数字・期間を明示して信頼感を出す
「毎月1回」「3か月で」「年間○回」など、数字や期間を明示すると、“具体性”と“責任感”が出るんだ。
「掃除強化します」よりも「毎週月曜に廊下掃除15分実施」などがいい例。
こういう具体性が、先生や生徒の「本当にできる?」という疑問を和らげてくれるよ。
ツメとして「実施スケジュール案」まで示す
公約の後に「いつまでに」「誰が」「どの順番で」実行するかをスケジュール案として示すと説得力アップする。
演説資料やポスターに簡単な実施表を入れるといいよね。
「まず調査、次に準備、最後に実行」みたいな段取りを見せる。
差別化要素を入れて他候補と戦う(“ウケ”を仕込む)
ほかの立候補者と差をつけたいなら、少し“ウケ”を入れた工夫を。
たとえば、おもしろネタ+真面目ネタを混ぜる、語呂合わせにする、キャッチカラーを入れるなど。
でも変にふざけすぎると信頼を失うから、ほどほどに。
“あなたらしさ”を出す差別化が勝負を決めるかも。
「実例から学ぶ:成功&失敗した公約ケーススタディ」
理論だけ聞いてもピンと来ないかもしれないね。
だから、実際に成功した公約と失敗した公約を見て、「なぜ成功したか」「なぜ失敗したか」を分析しよう。
そうすると、自分の公約に入れるべき要素、避けるべき要素が見えてくる。
リアルな事例は説得力があるからね。
成功例その1:環境改善系の丁寧公約
たとえば、「教室の換気時間を毎授業後5分入れる」「廊下にごみ箱を増やす」などの公約が、実際に受け入れられて成功したケース。
これらは“小さくても確実に変わる”タイプ。
生徒が日常で実感できる改善だから、信頼を得やすいんだ。
成功例その2:意見反映型・民主系公約
「年に2回意見箱でアンケートを取る」「生徒座談会を開く」など、公約自体が“声を聴く仕組み”になっているもの。
これは、生徒との距離を縮めて、信頼を作るタイプ。
実行後、生徒側の満足感も上がるから、結果的に学校生活の質向上にもつながるんだ。
失敗例その1:曖昧すぎて信頼を失った公約
「もっと楽しい学校にします」だけでは抽象的すぎて、何をするか見えない。
結果、「口だけでは?」と思われてしまって信用を失うことも。
約束だけ大きくて、具体性や実行計画が欠けていると危険。
失敗例その2:コスト過多で断念した公約
すごくいいアイデアでも、お金や時間が足りなくて途中で断念した例。
たとえば「クーラーを増設する」「備品を大量に購入する」など。
実施できなければ「公約破り」になってしまうから要注意だよ。
「公約案を出しても先生や生徒にダメ出しされた時のリカバリー法」
批判やダメ出しはつきもの。
でも、それを恐れてアイデアを出さないのはもったいない。
ダメ出しを前向きに受け止めて改善できる技術を持つと、公約案そのものも強くなるから。
フィードバックを活かして“改変”の技術
ダメ出しをされたら、一旦受け入れて「どこがどうダメか」を整理する。
“完全変更”ではなく“部分改変”で応用する。
元の公約案を捨てず、批判をヒントに改善する発想力が強みになる。
妥協ラインをあらかじめ考えておくメンタル術
最初から“これは譲れないライン”と“妥協できるライン”を決めておくといい。
ダメ出しには、妥協する部分を先に認識しておけば動揺しない。
心が折れないように、自分の中で耐性を作っておこう。
“代替案”を複数準備しておく理由
最初の案だけだとダメ出しで止まるけど、代替案を複数持っておけば、話し合いで“この案ならいい”となる可能性が高い。
A案・B案・C案を用意しておき、フィードバックを受けて切り替える戦略だね。
批判への切り返し表現テンプレート
批判されたときの言い訳や反論文句も用意しておくといい。
例えば「コストの面については代替手段を検討します」「まず試験運用から始めます」など。
言葉で信頼をつなぎとめる術も大切。
「公約を“見せ方”で差をつけるプレゼン戦略」
いい約束を言っても、見せ方がダサいと伝わらない。
視覚・媒体・プレゼンテーションで差をつける方法を使おう。
印象操作という言葉はあまり好きじゃないけど、見せ方を工夫するのは「伝える力」の一部だからね。
ポスターデザインのコツ(色・レイアウト・図)
ポスターに使う色・レイアウト・イラストがいい感じだと目を引く。
派手すぎず、読みやすさ重視。
見出し→キャッチコピー→要点→スケジュール案の流れを意識するといいレイアウトになる。
キャッチコピー vs サブ文言のバランス
キャッチコピーで興味を引いたあとに、サブ文言で補足説明を入れる。
「目立つ言葉」+「具体説明で安心感を出す」という組み合わせがベスト。
演説スライド・紙媒体の演出アイディア
演説用にスライド資料を作るなら、アニメーション少なめ・文字少なめ・図やグラフを使う。
紙媒体ならチラシ、ちらし、配布用ミニパンフレットも検討しよう。
手に取られやすいサイズや折り方もポイントになるよ。
SNS利用法:QRコード・動画・写真展開
今どきはSNSを使わない手はない。
ポスターに QR コードを貼って、公約詳細ページへ誘導。
短い動画を撮って「この公約を実行したらこうなる」イメージを見せる。
写真でビフォー/アフターを表現するのも強い手段になる。
「当選後に“公約破り”を回避するための設計法」
当選したらそこからが本番。
公約破りと思われないように、最初から実行性を考え、フォロー体制を整えておこう。
このセクションでは、実際に破られない設計のコツを教えるよ。
実行までのタスク分解・責任者明記
公約を分解して小さなタスクに落とす。
各タスクに期限と担当者を明示すると、実行が現実味を帯びる。
「いつ何を誰がやるか」が見えると、実行率が上がる。
進捗を可視化する報告手段(掲示板・Web)
進捗を見える形でみんなに報告する。
校内掲示板、学校 Web サイト、SNS など。
「今月はここまで進んだ」という報告を定期的にすることで、公約実行を実感してもらえる。
フォローアップ体制(PDCA回す仕組み)
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の流れを回す。
実施後、振り返りをして改善を続けていく。
そうすることで、公約をただ掲げただけで終わらせない強さが出る。
公約未達時の言い訳を作らない準備
予期せぬ事情で未達になることもある。
でも言い訳ばかりだと信頼を失う。
だから、未達になったときの代替案や改善案を事前に考えておく。
「まずはできなかった原因を報告し、そのうえで改案を発表する」スタンスを準備しておくといい。
まとめ
この記事では、「生徒会に立候補したいけど公約が思いつかない」という悩みに対して、公約が出ない原因、発想法、ジャンル別アイデア、実行可能性を担保する設計、公約の見せ方、実例、批判対応、公約破りを防ぐ設計法、などを全部取り上げたよ。
公約は「ただいいことを言う」だけじゃなく、「実行できるか」「伝わるか」「信頼を守るか」が勝負なんだ。
君らしい約束を、学校生活をより良くする活動を、公約という形で形にしてみてほしい。
そして、立候補するなら、公約を掲げた後は「誠実さ」で勝負。
君の学校に、「あの人のおかげで変わったな」と思われるプロジェクトを残してほしいな。
※合わせて読みたい「生徒会の役割 各役員は何をするの?」
プロフィール
1部上場の大手教育出版企業で、30年間にわたり小学生から高校生向けの情報誌の編集長を務めてきました。テキスト、イラストも自分で制作しています。
このサイトでは、思春期まっただ中の中学生と、その保護者や先生にも役立つ情報をお届けします。
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